2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

謁者の役目

明帝詔書「昔燕太子使荊軻劫始皇、變起兩楹之輭。其後謁者之引客、持匕首劍刺腋。高祖偃武行文、故易之以版。」 (応劭『漢官儀』上) 秦の時代、始皇帝が暗殺されそうになった有名な事件があった。 それ以降、来客を主君の元へ案内するホスト役の謁者は刃物…

侍中の居場所

漢世、與中官倶止禁中。武帝時、侍中莽何羅挾刃謀逆、由是侍中出禁外、有事乃入、事畢即出。王莽秉政、侍中復入、與中官共止。章帝元和中、侍中郭舉與後宮通、拔佩刀驚御、舉伏誅、侍中由是復出外。 (『宋書』巻三十九、百官志上、侍中) 漢代の侍中は、最…

思ったこと

思ったこと。 漢代の官職に、越騎校尉などの五校尉や、司隷校尉、そして西園八校尉などの「校尉」があった。一方で、将軍の軍営の一つを指揮するのが「校尉」だったとも『続漢書』百官志に記されている。 皇帝直属と思われる指揮官と、将軍の指揮下の隊長が…

ふと思ったこと

昨日の記事書いてから思ったんだけれど、五官郎は五十歳以上の郎だという(http://d.hatena.ne.jp/T_S/20110512/1305126094)。 五十歳以上の孝廉は試験免除だという(昨日の記事)。 孝廉に推挙された者のほとんどはまず郎になる。 つまり、孝廉の推挙を受…

孝廉の年齢

孝廉年未五十、先試箋奏。初上試之以事、非試之以誦也。 (応劭『漢官儀』上) 漢代の孝廉は、五十歳未満の場合は「皇帝による試験に合格すること」という条件が付いていた。 逆に言うとそれ以上の年齢の場合は免除された。

侍御史の冠

侍御史、周官也、為柱下史、冠法冠。一曰柱後、以鐵為柱。或説古有獬豸獸、觸邪佞、故執憲者以其角形為冠耳。余覽秦事云、始皇滅楚、以其君冠賜御史。漢興襲秦、因而不改。 (応劭『漢官儀』上) 侍御史の冠は戦国時代の楚の君主の冠だったものを秦が楚を征…

春秋の素王

應劭漢官曰「世祖中興、海内人民可得而數、裁十二三。邊陲蕭條、靡有孑遺、鄣塞破壊、亭隊絶滅。建武二十一年、始遣中郎將馬援・謁者、分築烽候、堡壁稍興、立郡縣十餘萬戸、或空置太守・令・長、招還人民。上笑曰『今邊無人而設長吏治之、難如春秋素王矣。…

孝廉になる代償

馬融爲南郡太守、二府以融在郡貪濁、受主計掾岐肅錢四十萬、融子彊又受吏白向錢六十萬、布三百匹、以肅爲孝廉、向爲主簿。 (『三輔決録』巻二) 三遷、桓帝時為南郡太守。先是融有事忤大將軍梁冀旨、冀諷有司奏融在郡貪濁、免官、髡徙朔方。自刺不殊、得赦…

最近読んだ

『恥知らずのパープルヘイズ』。 『ジョジョの奇妙な冒険』第5部で主人公チームにいながら途中で離脱しそのまま出てこなかったといういわくつきのキャラ、フーゴを主人公に据えた小説。スピンオフというやつか。

財布が火の鳥

手塚治虫の『火の鳥』といえば連載、単行本、出版社が変わる、と何かあるたびにどんどん修正されていったことで知られている。ということで、このたび連載時に限りなく近い「オリジナル版」が刊行されると聞いてちょっと喜んでいたのだが・・・。 いやさすが…

三休さん

典略曰、(金)元休名尚、京兆人也。尚與同郡韋休甫・第五文休*1俱著名、號為三休。 (『三国志』巻七、呂布伝注引『典略』) 第五種子巡、字文休、辟太尉掾、與杜陵金敞*2・韋端齊名、時人號之京兆三休。 (『三輔決録』巻二) 韋端の字は「休甫」。 共に「…

建安十八年の涼州メモ

(馬)超率諸戎渠帥以撃隴上郡縣、隴上郡縣皆應之、惟冀城奉州郡以固守。 超盡兼隴右之衆、而張魯又遣大將楊昂以助之、凡萬餘人、攻城。 (楊)阜率國士大夫及宗族子弟勝兵者千餘人、使從弟岳於城上作偃月營、與超接戰、自正月至八月拒守而救兵不至。 州遣別…

韋端強化月間その1

http://d.hatena.ne.jp/T_S/20111018/1318863714の続き。 韋端について。 太祖以(荀)紣為知人、諸所進達皆稱職、唯嚴象為揚州、韋康為涼州、後敗亡。 (『三国志』巻十、荀紣伝) 上記によれば、荀紣は韋康を涼州刺史に推薦していたらしい。 その時点では…

州の世襲

袁紹や劉表が勢力と地位の継承で失敗して敗亡したこと、曹操ですら後継者争いが起こり失敗しそうになったことなどは有名である。 そもそも、漢代の州刺史、州牧などの地位は皇帝が任命する官位なので、世襲するものではないはずである。 上記に挙げたような…

満氏の先祖

滿氏、荊蠻有瞞氏、音舛變為滿、漢有滿昌。 (応劭『風俗通』佚文) 満昌というのは前漢末期の儒者であるのだが、その満氏は荊州の蛮夷の血筋だという。 蛮夷の血筋だというのが公然と知られている一族というのはなかなか興味深い。

一票の逆格差

詔書法令、二十萬口、邊郡十萬、歲舉孝廉一人、員除世舉廉吏一人*1。羌反以來、戸口減少、又數易太守、至十歲不得舉。當職勤勞而不録、賢俊蓄積而不悉、衣冠無所覬望、農夫無所貪利、是以逐稼中災、莫肯就外。 古之利其民、誘之以利、弗脅以刑。易曰「先王以…

#ひとこと付け加えて名言を台無しにする

衆心成城。俗說、人同心者、可共築起一城。同心共飲、雒陽酒可盡也。 (応劭『風俗通』佚文) 人々が心をひとつにすれば、城壁を築くことだって出来る。人々が心をひとつにして酒を飲めば、洛陽の酒だって飲み干すことが出来る。

風俗通の面目躍如

天下之女白、不如越谿之女肌皙。 (応劭『風俗通』佚文) 天下の女性の白さも、越の女性の肌の白さほどではない。 風俗通として名高い応劭個人の評価なのか、それとも当時の人々の評判や諺として流れていたのか。 前後の文があったのかもしれないがここしか…

ちよ17歳

將作大匠陳國公孫志節、有蒼頭地餘、年十七、情性聰惠、儀状端正、工書疏。志節為戸曹吏、令地餘歸取資用、因持車馬亡去、至丹陽、改姓王名斌、字文高、遂留為諸曹吏。志節拜揚州刺史、郡選曹史衣冠子弟、皆出斌下、乃用之。斌乞屏左右、叩頭涕洟曰、斌即使…

『三国志』には出てこない

『文選』に「王仲宣贈文叔良詩」というのがある。 王仲宣っていうのは王粲のこと。 そして文叔良とは文穎のこと。 文穎字叔良、南陽人、後漢末荊州從事、魏建安中為甘陵府丞。 (『漢書』叙例) 『漢書』注の世界では有名人なので、『漢書』読んでればきっと…

司隸校尉メモ

司隸校尉職在典京師、外部諸郡、無所不糾。封侯・外戚・三公以下、無尊卑。入宮、開中道稱使者。毎會、後到先去。 (蔡質『漢官典職儀式選用』) 漢代の司隸校尉は中央の官と郡を監察弾劾することが職務で、王侯や外戚、三公などの高貴な身分でも関係なかっ…

昨日買った漫画

『FSS リブート』5巻。今回の収録部分は連載時と単行本(リブートじゃない方)で大幅に違うことで有名。 読み返してみたら思った以上に変わっていた。 というか連載時全部リアルタイムで読んでいたのだが思った以上に内容を忘れていた。ほとんどが近未来…

王必原理主義

http://togetter.com/li/198091 王必に関する数人のツイートをまとめた。 ここから王必原理主義運動が進むと嬉しい。

最終回告知

当ブログでも紹介した漫画『どげせん』。 今回、連載している「漫画ゴラク」にて、今回が最終回であるという旨の告知がなされた。 なお、最終巻3巻は11月発売だそうだ。 大変残念であるが、この辺の事情についても「漫画ゴラク」上で1ページ使って説明さ…

曹操怒りの誘導尋問

山陽公載記曰、王聞王必死、盛怒、召漢百官詣鄴、令救火者左、不救火者右。眾人以為救火者必無罪、皆附左。王以為「不救火者非助亂、救火乃實賊也」。皆殺之。 (『三国志』武帝紀注引『山陽公載記』) 後漢末、建安二十三年正月の許における吉本らの反乱の…

國之司直2

獻帝起居注曰、建安八年十二月、復置司直、不屬司徒、掌督中都官、不領諸州。九年十一月、詔司直比司隸校尉、坐同席在上、假傳置、從事三人、書佐四人。 (『続漢書』志第二十四、百官志一注引『献帝起居注』) 後漢末の司直について。 司直は前漢時代、丞相…

汚名返上

徴事、比六百石。皆故吏二千石不以贓罪免、降秩為徴事。 (衛宏『漢官旧儀』) 漢代、丞相徴事という官があった。名前の通り丞相の属官だが、その任用がちょっと特殊だったようだ。 元は二千石の吏つまり太守クラスの官僚だったが、汚職関係の罪以外の理由で…

博士の人数

文帝博士七十餘人、為待詔博士。朝服玄端、章甫冠。 (応劭『漢官儀』) 『続漢書』百官志二などを見る限り、漢代の「博士」はいわゆる五経博士十四人がいたと思われるのだが、『漢書』百官公卿表上などを見ると「博士秦官」とあり、五経博士が置かれた武帝…

逆定年制

博士限年五十以上。 (応劭『漢官儀』) 漢代の「博士」は五十歳以上でなければなれなかったらしい。

自決の理由

桓帝時、侍中刁存*1、年老口臭、上出雞舌香與含之。雞舌香頗小、辛螫、不敢咀咽。自嫌有過、得賜毒藥、歸舍辭決、欲就便宜。家人哀泣、不知其故。 頼寮友諸賢聞其■*2失、求視其藥、出在口香、咸嗤笑之、更為吞食、其意遂解。存鄙儒、蔽于此耳。 (応劭『漢官…