謁者の役目

明帝詔書「昔燕太子使荊軻劫始皇、變起兩楹之輭。其後謁者之引客、持匕首劍刺腋。高祖偃武行文、故易之以版。」
(応劭『漢官儀』上)


秦の時代、始皇帝が暗殺されそうになった有名な事件があった。
それ以降、来客を主君の元へ案内するホスト役の謁者は刃物を持って客に突き付けるようになった。

しかし天下を統一した高祖劉邦は武を止め文を行うという理念の元、謁者が持つ刃物を板に変えたという。
おそらく、何かがあったときはその板を機動隊のタワーシールドの如く制圧と防御のため使うのだろう。

皇帝の元へ謁見者を連れて行く役目ということは、その謁見者が不埒者だった場合に抑えることも役目の内ということなのだと思われる。