徴事、比六百石。皆故吏二千石不以贓罪免、降秩為徴事。
(衛宏『漢官旧儀』)
漢代、丞相徴事という官があった。
名前の通り丞相の属官だが、その任用がちょっと特殊だったようだ。
元は二千石の吏つまり太守クラスの官僚だったが、汚職関係の罪以外の理由で官を離れていた者を任用することになっていたというのである。
官を離れていたということは汚職以外の罪、あるいは不適格などの理由で罷免されていたということであり、そういった者を再雇用、言い換えると安価に再利用しようということなのだろう。
おそらく、丞相属官として上手くやれば再度太守などになる道も開けたのだろう。
『漢書』等を見ているとしばしば太守などが罷免されているが、彼らには汚名挽回の機会が与えられていたのである。