最近読んだ


『恥知らずのパープルヘイズ』。


『ジョジョの奇妙な冒険』第5部で主人公チームにいながら途中で離脱しそのまま出てこなかったといういわくつきのキャラ、フーゴを主人公に据えた小説。スピンオフというやつか。



思った以上に『ジョジョ』っぽく仕上がっているというのが第一の感想。

実際に読んでみる方が理解しやすいと思う。
最後の戦いの解決策など、いかにも『ジョジョ』である。



そして、周囲の生命をすべて皆殺しにしてしまうという危険な能力を持った悲哀、一歩足を踏み出せない歯がゆさ、尊敬できる人物や仲間を失った辛さ。
原作でフーゴが抱いたと想像できる感情があますところなく描かれていている。

フーゴという原作で消化不良に終わったキャラは10年以上の時を経て「成仏」できたんじゃないだろうか。


それと、5部の主人公ジョルノがボスになって以降の舞台イタリアの現状の説明や、ところどころにちりばめられた『ジョジョ』ネタは、作者の『ジョジョ』への理解の深さを思わせる。
ファンも納得と言うところではないかと思う。



ジョジョ』ファンであれば一読の価値はあると思う。