曹丕が立てた魏王朝においては、前王朝である後漢において時に権力を握った「宦官」「外戚」「皇太后」を徹底的に権力から遠ざけようとしている。
曹丕の先祖は宦官である。
つまり、曹丕は自分の先祖のことを振り返ってみて、皇帝の権力を脅かしそうな存在だと思ったのだろう。
曹丕の妹は後漢献帝の皇后、曹丕の父曹操は皇后の父である。つまり外戚である。
つまり、曹丕は自分や父のことを振り返ってみて、現に皇帝の外戚が皇帝の権力を脅かし最後には簒奪したことを自覚したのだろう。
曹丕の皇太后といえば実母卞氏である。卞氏は父の側妾を抱え込んだ曹丕を罵ったり、弟の暗殺を邪魔しようとしたりした。
つまり、曹丕は自分の母のことを振り返ってみて、現に息子の自分すなわち皇帝の権力を脅かしかねない存在になりうると確信したのだろう。