魏の初代皇帝曹丕。彼は同母弟の曹彰を毒殺し、同じく同母弟の曹植をも殺そうとしたが実母卞氏に止められた、という。
ところで、その卞氏は曹彰については毒殺を止めることができなかったのだろうか?
普通に考えれば「不意打ちで毒殺に走ったから止められなかったが、だからこそ曹植に対しては特に警戒した」みたいなことになるのだろうが、もう一つひねくれた考え方もできるのではないだろうか。
つまり、「曹氏全体ためにも、魏王朝のためにも、兄弟間の不和を煽り魏王朝自体の分裂まで起こしそうな危険人物を皇帝が殺すことについては目をつぶったが、そういった心配のない(と思えた)曹植を殺すことは許せなかったのではないか」ということだ。
無論、実の母であったことに変わりはないのだから断腸の思いだっただろうとは思うが。