詔曰「故衡山王呉芮與子二人・兄子一人、從百粵之兵、以佐諸侯、誅暴秦、有大功、諸侯立以為王。項羽侵奪之地、謂之番君。其以長沙・豫章・象郡・桂林・南海立番君芮為長沙王。」
（『漢書』巻一下、高帝紀下、高祖五年）
呉芮は項羽主導の元で衡山王に立てられながら、項羽によって領地を奪われ、最後には「故衡山王呉芮」という呼び方が示すように王位をも奪われたということのようだ。
呉芮は陳勝時代に英布に娘を嫁がせ共に秦と戦うなど、楚系統の首領の中でも古株に属する位なのだが、どうも項羽の心証が悪いようだ。
これは秦攻めの際に劉邦と合力した過去が影響したのか、それとも英布が項羽から離反してからのことだったのか、それとも何かまた別の理由があるのか、ちょっとここだけでは判断できそうにない。
ただ、昨日の記事でも書いたように、越に対して強い影響力を持っていたと記録されている呉芮を積極的に煽りに行くスタイルは、越のホームグラウンドでもある江東が一つの地盤であったらしい項羽にとっては得策ではなかったのではないか、とは思う。
っていうか敵を作り過ぎじゃなかろうか。
