ひとこと(国号)

多分、曹操が「魏公」になるころには、例の「代漢者当塗高」という予言の解釈として「魏」がある、というのは説の一つとしてはあったんじゃないかって思う。



つまり、曹操が「魏公」になった、というのは単なる偶然とは思えない、ということだ。



おそらくは曹操サイドが意図的に選んだのだろう。予言に一致させるために。




曹操とその周辺に「漢に代わる」という意思が無い、むしろもっての外だ、などと思っていたのならば、ああいった巨大な領主になる時に「魏」は選ばないだろう。


一つの解釈でしかないとしても、「当塗高」の話を思い起こさせてしまったら、火のないところから煙が立ち、予言通り漢に代わろう、という声が高まってしまうではないか。



漢を存続させたい、忠を尽くしたい、と思っていたのなら、仮に同じ地域の領主になるとしても他の国号にすることだろう。支配領域からすれば本来は「楚」だって「陳」だって「斉」だって「趙」だって「燕」だっていいし、なんなら「晋」だっていいはずだ。


まあ、そんな忠誠心があったらあんなに巨大な領主にならないのでは、というのはまた別の話として。




実質的に漢の皇帝を傀儡化していて、国号だって曹操サイドに選択権があったとしか思えない中で、敢えて例の予言につなげやすい「魏」を選んだ。


これは、この国号そのものが曹操による「簒奪予告」みたいなものだった、というべきなんじゃないだろうか。