武皇帝

新たな王朝の号（王莽の「新」とか曹氏の「魏」とか）については、ほとんどの場合、その王朝の開祖が皇帝になる時点でなっていた諸侯の国号から取るのが通例であるようだ。

「漢王」劉邦が皇帝になると「漢」王朝となるし、「新都侯」王莽が皇帝になると「新」王朝となるし、「魏王」曹丕が皇帝になると「魏」王朝となる。

これでふと思ったのだが、魏公になる前は「武平侯」、さらにその前は「費亭侯」であった曹操が、そのままついうっかり皇帝になったりしたら、王朝の号は「武」か「平」になったり、「費」になったりしていたかもしれないということになる。

「魏王朝の武皇帝」が「武王朝の武皇帝」「平王朝の武皇帝」「費王朝の武皇帝」とか呼ばれたかもしれない、ということだ。

「魏武」と同じように「武武」とか「平武」とか「費武」とか呼ばれたら、何となくあまり強そうな気がしない。「武武」は力は強そうでもカタカナで「オレサマ　オマエ　マルカジリ」とかしゃべりそうな風格がある。