曹操のナンパ船

合肥口有一大舶舡、覆在水中、水小時便出見、云是曹公舶舡。嘗漁人夜宿其傍、以舡繋之、但聞箏笛絃節之音、又香氣殷氤氳非常。漁人又夢人駈遣去、云勿近官舡。此人驚覺、即移舡去。相傳云、曹公載數妓、舡覆之於此也。今猶存焉。
陶淵明『捜神後記』曹公載妓船)

東晋時代頃の合肥には転覆した船の残骸が残っており、それは曹操の船であると言われていた。



その船の側で夜を過ごした漁師は、その船から笛や琴の音楽やら芳しい香気やらが発していることに気づき、また夢に人が出てきて「この船はお上の船だから近づくな」と言ってくるという怪奇現象に出くわした。




曹操の転覆した船にはゲイシャガールズが数名載せられていたのだ、ということである。



これは「曹操は戦場でも楽しみを忘れなかった」と捉えることも「軍規が乱れていた」と捉えることもできるのだろう。


もしかしたら、当時は曹操に限らずよくあったことなのかもしれないが。





この話の信憑性はともかく、戦場に妓女を連れてきていたという伝説が、曹操なら「いかにも」と思われていたということではあるのかもしれない。



もちろん、東晋三国時代ならそこまで離れていないので、それなりに確度の高い伝承だった可能性もあるかもしれないが。