賀斉と粉砕バット

昔呉遣賀將軍討山賊、賊中有善禁者、毎當交戰、官軍刀劍皆不得拔、弓弩射矢皆還向、輒致不利。賀將軍長智有才思、乃曰、吾聞金有刃者可禁、蟲有毒者可禁、其無刃之物、無毒之蟲、則不可禁、彼能禁吾兵者、必不能禁無刃物矣。乃多作勁木白棒、選異力精卒五千人為先登、盡捉棓彼山賊、賊恃其善禁者、了不能備、於是官軍以白棒撃之、大破彼賊、禁者果不復行、所打煞者、乃有萬計。
(『抱朴子』内篇、至理)

『抱朴子』いわく、呉が賀将軍(賀斉のことか)を山越討伐に向かわせたが、その山越には禁呪を得意とする者がおり、刃物は抜くことが出来ず、矢は戻ってきてしまい、戦いにならなかった。




だが賀将軍は「禁呪というのは刃のあるもの、毒のある虫は禁ずることができるが、無いものは禁ずることができないのだと聞く」と考えた。



そこで屈強な連中を選んで粉砕バットを持たせて突撃させたところ、禁呪は効果を発揮できず、守りを禁呪に頼っていたその山越はあっけなく敗れ、万単位もの撲殺者を出したという。