中外と中表

「中外」という語がある。


「都督中外諸軍事」などといった使い方もあるが、全く違う用法も後漢以降使われていた。


中外、一稱中表、即内外之義。姑之子為外兄弟、舅之子為内兄弟、故有中表之稱。
(『顔氏家訓』風操第六、集解)


「中外」とは「中表」とも言い、「父の姉妹の子=外兄弟」と、「母の兄弟の子=内兄弟」の両方を合わせたものだという。


現代で言えば「姓の違うイトコ」の総称ということになる。



三国志』では、許靖伝の「與九族中外同其飢寒」や、管寧伝の「年十六喪父、中表愍其孤貧、咸共贈賵」などはそれぞれこの意味の「中外」「中表」だろう。