『三国志』では分からないエピソード

不屈二姓、夷・齊之節也。何事非君、伊・箕之義也。
自春秋已來、家有奔亡、國有吞滅、君臣固無常分矣。然而君子之交絕無惡聲、一旦屈膝而事人、豈以存亡而改慮?
陳孔璋居袁裁書、則呼操為豺狼、在魏製檄、則目紹為虵虺。
在時君所命、不得自專、然亦文人之巨患也、當務從容消息之。
(『顔氏家訓』文章)

顔之推は良くない例としてかの後漢末の陳琳を挙げている。

それによれば、陳琳は袁紹の元では曹操を「豺狼」と呼び(これは例の檄文に実際にある)、その後曹操に拾われると袁紹のことをヘビやマムシだと呼んだ(こっちの実例は不明)という。

これが事実なら確かに節操が無い。


どうやら、主君の命とはいえこんな風に節操なく過剰表現してしまうのは文人の悪癖なので、表現を抑えるようにした方がいい、と言っているようだ。