諸葛亮の鏃

軍次白帝、謂人曰「諸葛孔明可謂名將、吾自見之。此城旁有其埋弩箭鏃一斛許。」因插表令掘之、如其言。
(『北斉書』巻三十二、陸法和伝)


南北朝時代の陸法和の話。



陸法和は本貫謎、能力も謎、年齢も容姿も謎という中二病テイスト溢れる謎の将なのだが、沙門の苦行を行って不思議パワーを身に着けていたらしく、あの劉備が死んだことで有名な白帝に駐屯したときにこんなことを言いだした。




諸葛亮ってのは名将と言えるな。俺には見える。この城の側に弩の鏃を一斛ばかり埋めて蓄えて備えていたんだ」




そこで地面を掘ってみたら確かに言うとおり鏃が出てきたという。





つまり諸葛亮は江南方面の要衝である白帝に籠城時などの備えとして武器を隠していた、ということのようだ。



陸法和が名将と評したのは、有事の備えを怠らないでいたことへの評価であろうか。