元興元年、帝崩、長子平原王有疾、而諸皇子夭沒、前後十數、後生者輒隠秘養於人間。
（『後漢書』紀第十、皇后紀上、和熹訒皇后）
後漢の和帝は皇子が何人も幼くして死亡したため、遂には産まれた子は後宮から隠して育てるようにしたという。
これはつまり和帝としては皇子の度重なる夭逝を自然死とは思わず、後宮に置いておく方が危険だと判断したと見て間違いないだろう。
後宮の何者かが恐れ多くも皇帝陛下の皇子を殺害するというのは決してこの事例だけの話ではなく、少なくとも前漢末の成帝の趙皇后姉妹は成帝が他の女性に産ませた子を闇に葬ったと『漢書』皇后伝に記されている。
また、霊帝も自分が子をよく失うことから皇子を後宮外で育てさせたとされている。
後宮ものの歴史ドラマの類で皇子やら寵姫やらが暗殺されたりされそうになるなんていう話が頻出するのは決して荒唐無稽なことではないのである*1。
また、後宮の皇子に謎の自然死が頻発するなどというケースでも、ここで述べたようなことを疑ってみるべきなのではないかと思う。
』にそういうのがあって、実際に王子を