文字化け御免

荀紣関連で一言。

荀紣といえば漢王朝に対する忠臣で、曹操が漢の皇帝をないがしろにし、帝位への野望を露にしたことに対して反対して死んだ、というように語られることが多い。
というか『三国志演義』がそうだ。

しかし、陳寿の『三国志』を読んでも、荀紣曹操が魏公になることに反対してはいるが、本当に曹操が皇帝になることに反対していたのかどうかは明確ではない。
献帝を保護することを進言したことや、列伝末尾の評で「未能充其志」とあることなどから類推しているのかもしれないが、どちらも逆の意味に捉えることができるだろう。

献帝を保護したあとにやったことといえば献帝を厳重な監視下に置く事ではないか。
これは忠臣のやることではない。仮に曹操の命令だとしても忠臣ならここで反対しなければ。

荀紣の「充たされなかった志」とは「曹操による天下統一・皇帝即位」かもしれない。
むしろ、そうでなかったら長年腹心として信頼してきた曹操が立場ないのではないだろうか。

「魏公になるべきかどうか」では対立したが、漢王朝への感情、天下統一やその先にある皇帝への即位については、曹操荀紣は同じ方向を向いていたのではないか。