十三人いる!

武帝元封五年初置部刺史、掌奉詔條察州、秩六百石、員十三人。
(『漢書』百官公卿表上)

漢の武帝の時代、全国の郡を州に分けて監察する刺史が置かれた。
その人数は13人。

しかし、『続漢書』郡国志などを見ると、州は12しかない。

残り一つはどうなったのか。視聴者からのクレームで欠番になったのか。

もちろん違う。

師古曰「胡廣記云、漢既定南越之地、置交阯刺史、別於諸州、令持節治蒼梧、分雍州置朔方刺史」
(『漢書』地理志上)

実は漢は雍州(=涼州)とは別に「朔方刺史」を置いていた。
これで13人なのである。
武帝匈奴から奪い植民地化していたあたりである。
これは前漢一代の間続き、後漢では并州に吸収される形で消滅した。