ふたりは韓信

(韓)信再拜賀曰「(略)以義兵從思東歸之士、何所不散。(略)大王失職入漢中、秦民無不恨者。今大王舉而東、三秦可傳檄而定也」
(『史記』淮陰侯列伝)

沛公立為漢王、韓信從入漢中、迺說漢王曰「項王王諸將近地、而王獨遠居此、此左遷也。士卒皆山東人、跂而望歸、及其鋒東鄉、可以爭天下」
(『史記韓信盧綰列伝)

上はいわゆる股くぐりの方の淮陰侯韓信
下はいわゆる韓王信。

韓王信の漢王劉邦への進言内容は、淮陰侯韓信の策のダイジェストのようになっている。

二人の韓信が同時期に似たような建策を行ったのか、それともどちらかの建策はもう一方のものと混同されて司馬遷が別々に収録してしまったものなのか。

いずれにしても紛らわしいことだ。