ひとこと(劉備と劉氏)

劉備の場合、「劉氏」だったからといって特別に便宜が図られたりはしてなかったのではないかと思う。



宗室としての特権を得るにはおそらく世代が遠くなりすぎているだろう。



だから、劉備は少なくとも本格的に世に出るまでは「劉氏」であったからといってことさらに得をしていたとは思えない。これは劉表などにも当てはまる。




彼が「劉氏」であることに特別な意味を持ちはじめたのは、当時では上から数えた方が早い位の高位の将軍(左将軍)を得て世間の誰もが知る存在となり、本人も世間も「当時の劉氏の中で1、2を争う地位と実力の持ち主」と認識し出した時なのではないだろうか。


こうなると「次の(傀儡)皇帝」として本人も周囲を意識することになるだろうからだ。



逆に言えば、それまではあまり「劉氏」だからということが彼の待遇や知名度に変化を与えておらず、あくまで実力でのしあがったのだ、ということなのだと思う。