メイドの土産

蜀漢時代の陳寿が父の服喪中に婢に薬を作らせていたことを見られて評判を落とした、という話がある(『晋書』陳寿伝)。



これ、「女性を近づけるなんてもってのほかのはずの服喪中に、(仮にいかがわしいことはしなかったとしても)婢という女性を近づけていた」というのが問題だった、ってことでいいんだよな・・・?




薬を作っていただけならいいんじゃないのか、みたいに思わないでもないんだが、よく考えてみると医師でない者にできる程度の作業だったことになりそうだから、女性の婢ではなく男性の奴にやらせてもいいようにも思う。



となると、少なくとも周囲からは「薬が欲しいという口実で婢を近づけたのだろう」と思われたというところか?



「薬をお持ちしました」といってメイドさんが服喪中で女人禁制のはずの部屋に入っていった、みたいなものだとしたら、疑われてもしかたがなかろう。




あるいは、「敢えて婢に用事を申し付けて部屋に呼ぶ」みたいなのが、当時の服喪期間中によくあるリラックスのための手口だったのかもしれないな・・・。