『漢紀』高祖皇帝紀を読んでみよう:その3

その2(http://d.hatena.ne.jp/T_S/20181021/1540047943)の続き。





漢高祖諱邦、字季。
初昭靈后嘗息大澤之陂夢與神遇、是時雷電晦冥、太上皇視之、見蛟龍臨之、遂有娠而生高祖。隆準龍顔、美須髯、左股有七十二鄢子、𥶡仁愛人、有大智度。
曾為泗水亭長、嘗從王媼武負貰酒、毎飲醉留寝其家、上嘗見光怪、負等異之、輒折契棄券而不責。
單父人呂公好相人、有女以為貴、避讎于沛、沛令求其女不與、及見高祖状貌、公奇之、因以女妻焉。是為呂后。生孝惠魯元公主。嘗有老父過乞漿、相呂后孝惠魯元公主皆大貴也、及見高祖、乃大喜曰、夫人兒子蒙君之力也。君貴不可言也。遂去不復見。
高祖以亭長送徒驪山、夜行經豐西澤中、有蛇當道、拔劍斬之、遂過。後人至者、見一老嫗哭蛇曰、此白帝子也、向赤帝子遇而殺之。嫗因忽然不見。
高祖亡避吏於山澤中、呂后常知其處、云高祖所在、上有赤色雲氣。占氣者山東有天子氣、秦始皇帝乃東遊欲以厭之。
(『漢紀』高祖皇帝紀巻第一)

漢の高祖劉邦の説明、ステータスの紹介と言ったところ。




史記』『漢書』の本紀の内容のダイジェストと言ってさしつかえない。




近代の国民的作家がゲスの勘ぐりそのものの解釈をした*1ことで有名な出生秘話、呂后との出会い、蛇を殺した話、謎のオーラ力が始皇帝さえも動かしたという事など、省略はあるものの高祖劉邦の神秘的なエピソードが目白押しである。

*1:気持ちはわかるが。