鴻門の会のエピソード

樊噲冠、漢將樊噲造次所冠、以入項羽軍。廣九寸、高七寸、前後出各四寸、制似冕。司馬殿門大難衛士服之。
或曰、樊噲常持鐵楯、聞項羽有意殺漢王、噲裂裳以裹楯、冠之入軍門、立漢王旁、視項羽
(『続漢書』志第三十、輿服志下、樊噲冠)

これも前に書いたかもしれないが、もう気にせず行く。




漢代の冠の制度の中で、「樊噲冠」という宮殿の衛士の冠があるそうな。



これは、いつも鉄の盾を装備していた樊噲が、主で義兄である劉邦の危機に際して(いわゆる「鴻門の会」の際と思われる)、その盾を袴で包んで冠とし、その仕込み盾を装備して劉邦のガードに当たって項羽を見張った、という故事に由来するという説があるのだとか。



宴席に完全武装で入るわけにはいかないので、「これは盾ではないです。冠です」と言い張って盾を持ち込んだということなのだろう。






「鴻門の会」の物語等を鑑賞するに際しては、このエピソードを入れているかどうかに注意して見ておきたい。