ちょっとしたこと

『東観漢記校注』を眺めていると、たまに『後漢書』などに見えず正体不明の人物の名前が出てくるようだ。




つまり現行の范曄『後漢書』が断片的なモノを含めて記録を残さなかった存在がいたわけである。




考えてみればそれは当然のことなんだろう。





史記』『漢書』でも百官表や功臣表にしか出てこない、実質的に正体不明の高官というのも少なくない。



三国志』でも、実は有名な事績、エピソードが『魏略』『呉書』などのもので、陳寿三国志』には記録がほとんどない、なんて人物も少なからず存在する。




この時期の正史と呼ばれるような史書はある意味ダイジェスト的なもので、網羅的な存在ではないということだと思う。




同じように、『東観漢記』から『後漢書』に至るまでの間に記述から脱落していった微妙なレベルの著名人というのも少なくなかったということなのだろう。