藁の家

史記』や『漢書』は本紀、表、志(書)、列伝を備え、巻末に編者とその華麗なる一族について記す「自序」を付した史書であった。



陳寿三国志』や范曄『後漢書』は表や志が少なくとも残っておらず、「自序」も無かった。



それらに対し、いわゆる「正史」の編纂順ではその次に当たる沈約『宋書』は、一つの書で本紀、志、列伝、自序がある史書であった。





この『宋書』の内容からは、「「志」も「自叙」もない『三国志』『後漢書』ごときうすっぺらな藁の家が、深淵なる正史の『史記』と『漢書』とわたしの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」とでも言い出しそうな強烈な自負を感じないでもない。