顔駟

上嘗輦至郎署、見一老翁、鬚鬢皓白、衣服不整。上問曰「公何時為郎、何其老也?」對曰「臣姓顔名駟、江都人也、以文帝時為郎。」上問曰「何其老而不遇也?」駟曰「文常*1好文而臣好武。景帝好老而臣尚少。陛下好少而臣已老。是以三世不遇。故老於郎署。」上感其言、擢拜會稽都尉。
(『漢武帝故事』)


武帝の時のこと。
武帝は老人でありながら郎であった顔駟なる人物に興味を示した。
顔駟は「文帝は文を好みましたが自分は武を好んでいたので用いられませんでした。景帝は老人を好みましたが自分はそのころまだ若かったので用いられませんでした。陛下は若者を好みますが私めは既に年老いているので用いられません。」と答えた。
そこで武帝は彼を会稽都尉にしてやったという。


時流に合わなければ仮に能力があったって使われることはないのだ、というお話。

*1:たぶんこの「常」は正しくは「帝」だろう。