ひとこと2

後漢末、いわゆる『三国志』の時代。
多くの群雄、あるいは武将が将軍号を自称したり、皇帝から受けたり、他の者から受け継いだりしている。

前後左右将軍、四征将軍などと共に多いのは二文字の雅号を将軍の前に冠しているいわゆる「雑号将軍」である。


この雑号将軍は、どうも世の三国志ファン等の間では「下位の将軍」というイメージでいっしょくたに語られがちのような気がするけど、これって違うと思う。


まず「雑号将軍」にくくられがちな将軍の中にも、輔漢将軍とか鎮軍将軍のように明らかに特別な地位や職務を持つと思われるものがある。

更に、伏波将軍のように古いものだと前漢以来の伝統ある将軍号もある。
こういった将軍号は、伝統の重みの分だけ他の将軍号よりも栄誉であったり上位であったりする可能性を考慮しなければいけない。

あと、誰が任命あるいは創設した号か、または誰からどうやって受け継いだ号なのか、ということによってもその将軍号の意味合いは大きく変わってくる。


こういった点を考慮しないで「雑号将軍」でくくってしまうのは、実像から自ら遠ざかる行為と言わざるを得ないと思う。


やっぱりひとことでは済まなかったか。