二人の王莽

前漢に王莽という名前の高官は二人いる。

衛尉天水王莽稚叔、三年遷。
(『漢書』百官公卿表下、始元元年)

昭帝時代の王莽は天水の人、字は稚叔。
あの皇帝王莽と同姓同名の別人である。

そんな二人には共通点がある。

時衛尉王莽子男忽侍中、揚語曰「帝崩、忽常在左右、安得遺詔封三子事!群兒自相貴耳」光聞之、切讓王莽、莽酖殺忽。
(『漢書』霍光伝)

宇即使𥶡夜持血灑莽第、門吏發覺之、莽執宇送獄、飲藥死。
(『漢書』王莽伝上)

どっちの王莽も、実子を殺しているのである。