真人2

魏書曰、設伎樂百戲、令曰「先王皆樂其所生、禮不忘其本。譙、霸王之邦、真人本出、其復譙租稅二年。」
(『三国志』文帝紀、延康元年七月、注)

再掲。
昨日は書かなかったけどこの令には疑問点がある。


何故、当時まだ禅譲革命前であり魏王でしかない曹丕が譙の租税免除を決めているんだろう?
常識的に考えて税役免除は本来は皇帝の権限だろう。臣下が決定するような事柄とは思えない。

王国の領土内でなら決定できるのかもしれないが、譙は豫州なので魏王国内ではないだろう。
当時、丞相はそこまで決定できたのだろうか。
それとも曹操時代に与えられた「承制封拝」などの権限に含まれるものだったのだろうか。

まあ、権限があったとしても父親を引き合いに出してその生誕の地だから免除ってのはどうなんだろう。
父を「覇王」「真人」などと称揚して自分の権限で故郷を税役免除するのは、結局は自分の権威付けであり、皇帝(劉協)から自分への大権の委譲を暗に示すことになったのではないか。
というかそれが目的かもしれない。