劉琰字威碩、魯國人也。先主在豫州、辟為從事、以其宗姓、有風流、善談論、厚親待之、遂隨從周旋、常為賓客。先主定益州、以琰為固陵太守。後主立、封都鄉侯、班位每亞李嚴、為衛尉中軍師後將軍、遷車騎將軍。然不豫國政、但領兵千餘、隨丞相亮諷議而已。車服飲食、號為侈靡、侍婢數十、皆能為聲樂、又悉教誦讀魯靈光殿賦。
（『三国志』劉琰伝）
みんな大好き魏延さんと喧嘩したり、劉禅陛下に妻がryされた疑惑があったりする劉琰さん。
彼が侍女に詠ませていたという「魯霊光殿賦」とは何か。
初、魯恭王好宮室、起靈光殿、甚壯麗、是時猶存、故詔（劉）彊都魯。
（『後漢書』劉彊伝）
霊光殿とは、かの不良君主こと魯恭王が作った壮麗な宮殿。後漢光武帝の長男である東海王劉彊もここを宮殿として使った。
子（王）延壽、字文考、有儁才。少遊魯國、作靈光殿賦。後蔡邕亦造此賦、未成、及見延壽所為、甚奇之、遂輟翰而已。曾有異夢、意惡之、乃作夢賦以自窅。後溺水死、時年二十餘。
（『後漢書』王逸伝）
そして「魯霊光殿賦」を作ったのは後漢の人、王延寿。
あの蔡邕も負けを認めたほどの出来だったようだが、彼は若くして亡くなった。
おそらく劉琰の「魯霊光殿賦」もこの賦であろう。
意外と近い時代の作品であった。
実は古式ゆかしい雅楽ではなく、最近の流行歌だったのである。
