建安十三年、孫權率衆圍合肥。時大軍征荊州、遇疾疫、唯遣將軍張喜單將千騎、過領汝南兵以解圍、頗復疾疫。濟乃密白刺史偽得喜書、云步騎四萬已到雩婁、遣主簿迎喜。三部使齎書語城中守將、一部得入城、二部為賊所得。權信之、遽燒圍走、城用得全。
（『三国志』蔣濟伝）
賈信、張喜とも、曹操の将軍ではあるが上に挙げたところくらいしか記録が無い。
だが単なる小物とも思えず、袁氏に対する後詰に起用されたり反乱討伐の主将になったり、あの赤壁の戦い前後に合肥を救援するための騎兵を率いたりと、むしろ曹操からそれなりの信頼と地位を得ていたように思われる。
記録がこれ以上全く残っていないのが残念なところだ。
実際には楽進・于禁あたりと並ぶような経歴の持ち主だったのかもしれない。趙雲と陳到の関係みたいなものだ。
そういえば、有名な楽進らについてさえ「于禁最號毅重、然弗克其終、張郃以巧變為稱、樂進以驍果顯名、而鑒其行事、未副所聞。或注記有遺漏」と、陳寿より記録の遺漏を疑われているくらいなので、彼らほどには華々しい功績や活躍は無かったであろう賈信や張喜はほとんど記録が無くても仕方ないのかもしれない。
