曹操が兗州牧になる時のこと。前の州刺史劉岱が戦死したので、鮑信は曹操を兗州の主に迎えた。
そこで同行したのが州吏萬潜ら。
この萬潜なる人物、ただの州吏かと思いきや・・・。
(略)中護軍國明亭侯曹洪、中領軍萬歲亭侯韓浩、行驍騎將軍安平亭侯曹仁、領護軍將軍王圖、長史萬潛、謝奐、袁霸等勸進曰・・・
(『三国志』武帝紀注引『魏書』)
丁亥令曰「故尚書僕射毛玠、奉常王脩、涼茂、郎中令袁渙、少府謝奐、萬潛、中尉徐奕、國淵等、皆忠直在朝、履蹈仁義、並早即世、而子孫陵遲、惻然愍之、其皆拜子男為郎中。」
(『三国志』文帝紀注引『魏書』)
どうやら曹操の長史、魏国の少府まで昇進していたようだ。
州吏からすれば破格の出世といっても過言ではない。
思うに、曹操による漢の朝廷支配、魏国統治、各地の駐屯軍の統御などを地味に支えたのは彼のような兗州で曹操の部下だった連中だったのではなかろうか。
多分王必もその一人。