曹操の公約違反その2

昨日の話の続きだが、じゃあなんで曹操は公約違反気味に臣下への封建を抑えていたのかと言うと、「皇帝即位の時と天下統一の暁には大盤振る舞いするゾ」というのを目の前にぶら下げたニンジンにしていた、という感じだったんじゃないだろうか。



そして確かに曹丕は皇帝即位の段になって功臣たちに軒並み加増してやっている。半分は約束を守ったとは言えないこともない。本番は統一時ということになるだろうが。




問題は、天下統一に至らなかったために、魏においては本気の大出血サービスの時が永遠にやってこなかったことだ。



馬だって、ニンジンは手に入らないと気づいてしまったらもう走らないだろう。




小康状態どころかむしろ蜀漢や呉に攻め込まれる方が多くなってくると、ニンジンの幻想で走らせる作戦は単に「ニンジンをくれない気前が悪い奴」になってしまう。




魏が求心力を失った一因、かもしれない。