板挟みの可能性

頃之、冀州刺史王芬・南陽許攸・沛國周旌等連結豪傑、謀廢靈帝、立合肥侯、以告太祖、太祖拒之。芬等遂敗。
(『三国志』巻一、武帝紀)

先日来ネタにしているこの話だが、よく見ると曹操と同郷の人間が陰謀に加わっているんだな。



曹操(曹氏)に声がかかった理由には、この沛国の周旌なる人物の存在があったんじゃないだろうか。



つまり、同郷で、もしかしたら親戚づきあい(姻戚)なんかもあったかもしれない人間が近づいていたということだ。




曹操は実際にはこの計画を完全に拒絶して密告するようなこともできない状態になっていたのかもしれない。



首謀者の一人沛国の周旌とすでに連座必須の関係になってしまっていたのだったら、曹操は密告などしたら自分はともかく親族大半を失う羽目になるからだ。





「自分は断った」ということで最低限の保身は図りつつも、一族全体を考えたら積極的に計画を潰すわけにはいかず、事態を静観するしかなかった・・・。この時の曹操はそんな板挟みだった、なんて可能性も割とあったりしないだろうか。