仲長統『昌言』法誡篇を読んでみよう:その3

その2(https://t-s.hatenablog.com/entry/2020/08/27/000000)の続き。





或曰、政在一人、權甚重也。曰、人實難得、何重之嫌?昔者霍禹・竇憲・鄧騭・梁冀之徒、籍外戚之權、管國家之柄。及其伏誅、以一言之詔、詰朝而決、何重之畏乎?今夫國家漏神明於媟近、輸權重於婦黨、筭十世而為之者八九焉。不此之罪而彼之疑、何其詭邪!
(『後漢書』列伝第三十九、仲長統伝)

ある者は言う。「政治が一人の手に委ねられるのは、権力が重すぎるだろう」と。


ふさわしい人は大変得難いものだ。どうして権力の重さを気にするべきだろう?昔、霍禹・竇憲・鄧騭・梁冀らは外戚の権力を借りて天下を治める立場となった。しかし誅殺される際には、一つの詔書だけで朝廷が終わる時には全てが決まっている。どうして権力が重いからといって恐れる必要があろうか?



今まで、天子の権力は外戚や宦官の手にに落ちているのが、十代のうち八、九にもなっている。これを正そうとせずに権力を持たせるべき宰相を疑うというのは、なんと道理に合わないことか。






「強大な権力を持った丞相はどうかと思う、だって?外戚とかは一夜にして首が落ちてたじゃないか。丞相がアレだったら同じ事になるだけやで!それに丞相の権力を疑問視するなら、なぜこれまでの外戚や宦官に文句言わなかった?」と返す仲長統。



きっとこれと同じ思いで董承・劉備の暗殺計画や吉本の乱も起こったんじゃないかな?それにこの時代の丞相、最終的に外戚にもなって仲長統的な禁忌を思いっきり犯している。


この反論の方が正しかった事になるんじゃ・・・?