『晋書』文帝紀を読んでみよう:その6

その5(https://t-s.hatenablog.com/entry/2019/08/18/000100)の続き。





八月、呉將朱異帥兵萬餘人、留輜重於都陸、輕兵至黎漿。監軍石苞・兗州刺史州泰禦之、異退。泰山太守胡烈以奇兵襲都陸、焚其糧運。苞・泰復進撃異、大破之。異之餘卒餒甚、食葛葉而遁、呉人殺異。
帝曰「異不得至壽春、非其罪也、而呉人殺之、適以謝壽春而堅(諸葛)誕意、使其猶望救耳。若其不爾、彼當突圍、決一旦之命。或謂大軍不能久、省食減口、冀有他變。料賊之情、不出此三者。今當多方以亂之、備其越逸、此勝計也。」因命合圍、分遣羸疾就穀淮北、廩軍士大豆、人三升。(文)欽聞之、果喜。帝愈羸形以示之、多縱反間、揚言呉救方至。誕等益寬恣食、俄而城中乏糧。
石苞・王基並請攻之、帝曰「誕之逆謀、非一朝一夕也、聚糧完守、外結呉人、自謂足據淮南。欽既同惡相濟、必不便走。今若急攻之、損游軍之力。外寇卒至、表裏受敵、此危道也。今三叛相聚於孤城之中、天其或者將使同戮。吾當以長策縻之、但堅守三面。若賊陸道而來、軍糧必少、吾以游兵輕騎絶其轉輸、可不戰而破外賊。外賊破、欽等必成擒矣。」
全懌母、孫權女也、得罪於呉、全端兄子禕及儀奉其母來奔。儀兄靜時在壽春、用鍾會計、作禕・儀書以譎靜。靜兄弟五人帥其衆來降、城中大駭。
(『晋書』巻二、文帝紀

諸葛誕・文欽と呉の愉快な仲間たち、翻弄される。



呉に戻ったら始末された朱異は朱桓の子。



降伏した全懌は全琮の子。



司馬昭の策(呉が来るとの流言に惑わされて食料を浪費した)により食料不足に陥った諸葛誕。呉からの援軍は破られ、諸葛誕と合流している文欽は諸葛誕とは昔からの犬猿の仲。




呉帝の縁戚であるはずの全懌も真っ先に降伏する(呉の朝廷で母全公主が退けられるより前だと思われる)など、諸葛誕の反乱はせっかく呉の大規模な援軍がありながら、あっという間にグッダグダになっていくのであった。