その８（http://d.hatena.ne.jp/T_S/20180402/1522594824）の続き。
四年春正月、匈奴單于來朝。
赦天下徒、賜孝弟力田爵二級、諸逋租賦所振貸勿收。
二月、單于罷歸國。
三月癸丑朔、日有蝕之。
遣光祿大夫博士嘉等十一人行舉瀕河之郡水所毀傷困乏不能自存者、財振貸。其為水所流壓死不能自葬、令郡國給槥櫝葬埋。已葬者與錢、人二千。避水它郡國、在所冗食之、謹遇以文理、無令失職。舉惇厚有行能直言之士。
壬申、長陵臨芤岸崩、雍芤水。
夏六月庚戌、楚王囂薨。
山陽火生石中、改元為陽朔。
（『漢書』巻十、成帝紀）
河平４年。
この年も黄河対策に追われる一年であったらしい。
楚王囂というのは宣帝の子。成帝から見ると叔父である。
楚孝王囂、甘露二年立為定陶王、三年徙楚。
成帝河平中入朝、時被疾、天子閔之、下詔曰「蓋聞『天地之性人為貴、人之行莫大於孝』。楚王囂素行孝順仁慈、之國以來二十餘年、孅介之過未嘗聞、朕甚嘉之。今乃遭命、離于惡疾、夫子所痛、曰『蔑之、命矣夫、斯人也而有斯疾也！』朕甚閔焉。夫行純茂而不顯異、則有國者將何勗哉？書不云乎？『用徳章厥善。』今王朝正月、詔與子男一人倶、其以廣戚縣戸四千三百封其子勳為廣戚侯。」
明年、囂薨。子懷王文嗣、一年薨、無子、絶。明年、成帝復立文弟平陸侯衍、是為思王。二十一年薨、子紆嗣、王莽時絶。
（『漢書』巻八十、楚孝王囂伝）
そして、この楚王囂の子孫には一人有名人がいる。
廣戚侯勳薨、諡曰煬侯、子顯嗣。平帝崩、無子、王莽立顯子嬰為孺子、奉平帝後。莽篡位、以嬰為定安公。
（『漢書』巻八十、楚孝王囂伝）
楚王囂の子の劉勲がこの時に「広戚侯」に立てられ、その孫の一人が劉嬰。あの王莽によって平帝の次の皇帝と決められた「孺子嬰」である。
