その９（http://d.hatena.ne.jp/T_S/20171204/1512313689）の続き。
元朔元年冬十一月、詔曰「公卿大夫、所使總方略、壹統類、廣教化、美風俗也。夫本仁祖義、襃徳祿賢、勸善刑暴、五帝三王所繇昌也。朕夙興夜寐、嘉與宇内之士臻於斯路。故旅耆老、復孝敬、選豪俊、講文學、稽參政事、祈進民心、深詔執事、興廉舉孝、庶幾成風、紹休聖緒。夫十室之邑、必有忠信。三人並行、厥有我師。今或至闔郡而不薦一人、是化不下究、而積行之君子雍於上聞也。二千石官長紀綱人倫、將何以佐朕燭幽隠、勸元元、窅蒸庶、崇郷黨之訓哉？且進賢受上賞、蔽賢蒙顯戮、古之道也。其與中二千石・禮官・博士議不舉者罪。」
有司奏議曰「古者諸侯貢士、壹適謂之好徳、再適謂之賢賢、三適謂之有功、乃加九錫。不貢士、壹則黜爵、再則黜地、三而黜爵地畢矣。夫附下罔上者死、附上罔下者刑、與聞國政而無益於民者斥、在上位而不能進賢者退、此所以勸善黜惡也。今詔書昭先帝聖緒、令二千石舉孝廉、所以化元元、移風易俗也。不舉孝、不奉詔、當以不敬論。不察廉、不勝任也、當免。」奏可。
十二月、江都王非薨。
春三月甲子、立皇后衛氏。詔曰「朕聞天地不變、不成施化。陰陽不變、物不暢茂。易曰『通其變、使民不倦』。詩云『九變復貫、知言之選』。朕嘉唐虞而樂殷周、據舊以鑒新。其赦天下、與民更始。諸逋貸及辭訟在孝景後三年以前、皆勿聽治。」
秋、匈奴入遼西、殺太守。入漁陽・雁門、敗都尉、殺略三千餘人。遣將軍衛青出雁門、將軍李息出代、獲首虜數千級。
東夷薉君南閭等口二十八萬人降、為蒼海郡。
魯王餘・長沙王發皆薨。
（『漢書』巻六、武帝紀）
元朔元年。
太守は人材を推挙できないと皇帝の命令違反で不敬罪、推挙した人材が任に堪えなかった場合も罷免、という制度が定められる。
蒼海郡は今の朝鮮半島北部あたりにいた者たちに対して置かれた郡であるそうだ。
なかなかに厳しいが、人材を皇帝の元に集めるということがこの上なく重要視されたとも言えるだろう。
また衛氏が皇后に立てられた。
この衛氏が武帝待望の男子を産むのがこの年なので、おそらくは男子を出産したことで皇后となることが本決まりになったのだろう。
