恨みによる犯行2

昨日の記事について、以下の話との関連を指摘する声を複数聞いたので挙げておこうと思う。



ご指摘いただいた方々には感謝。




(呉)質黄初五年朝京師、詔上將軍及特進以下皆會質所、大官給供具。酒酣、質欲盡歡。
時上將軍曹真性肥、中領軍朱鑠性瘦、質召優、使説肥瘦。
真負貴、恥見戲、怒謂質曰「卿欲以部曲將遇我邪?」
驃騎將軍曹洪・輕車將軍王忠言「將軍必欲使上將軍服肥、即自宜為瘦。」
真愈恚、拔刀瞋目言「俳敢輕脱、吾斬爾。」遂罵坐。
質案劍曰「曹子丹、汝非屠几上肉、呉質吞爾不搖喉、咀爾不搖牙。何敢恃勢驕邪?」
鑠因起曰「陛下使吾等來樂卿耳、乃至此邪!」
質顧叱之曰「朱鑠、敢壞坐!」
諸將軍皆還坐。鑠性急、愈恚、還拔劍斬地。遂便罷也。
(『三国志』巻二十一、王衛二劉傅伝注引『呉質別伝』)


魏の文帝曹丕の腹心であった呉質は、文帝の命で将軍や列侯らの大物を接待する宴を開いた。



その際、呉質は敢えて言うならハート様系のちょっとぽっちゃり男子であった曹真と、逆に痩せていた朱鑠を揶揄する出し物を余興として見せたのだった。



怒る曹真に対し、曹洪・王忠は「呉質どのは貴方に痩せてほしくてあのようなことをしたのだろう」と言ったが、曹真はいよいよ怒り出して剣を抜き「お前を殺す」と言いだした。



呉質も剣に手をかけ、「お前は机上の肉を切るよりもたやすいことだ。権勢を恃んでおごりたかぶった真似をするな」と言い返した。



そこで朱鑠は「陛下は我らにここへ来て楽しませるよう命じたというのに、なんということをするのです」と言いだしたが、呉質は「お前もこの座をぶち壊す気か」と言い返したので、朱鑠も怒って剣を抜いて地面を切りつけた。






といった感じの話らしい。どこか間違ってるかもしれないが。





なるほど、呉質にハート様扱いされて激怒した曹真に対しての「ダイエットしろと言いたかっただけだぞ」という曹洪の発言は、とりなしというよりは煽りである。



この話の後、曹真が自分をdisった曹洪を恨み、隙あらば陥れようとしていた(と周囲に思われていた)ということはあるかもしれない。