平帝の病

後徴定陶王為太子、封中山王舅參為宜郷侯。參、馮太后少弟也。
是歳、孝王薨、有一男、嗣為王、時未滿歳。
有眚病、太后自養視、數禱祠解。
【注】
孟康曰「災眚之眚、謂妖病也。」
服虔曰「身盡青也。」
蘇林曰「名為肝厥、發時脣口手足十指甲皆青。」
師古曰「下云禱祠解舍、孟説是也。未滿歳者、謂為王未滿歳也。眚音所領反、字不作青、服・蘇誤也。」
(『漢書』巻九十七下、孝元馮昭儀伝)

ここに出てくる中山孝王の子というのは、前漢の平帝のことである。




平帝は父の死によって幼児にして王位を継いだが、それからいくばくも無いうちに謎の病気になって、養育者である祖母馮氏は何度も祈祷をして病気を治そうとしたのだという。





そこで、『漢書』注釈者たちの中でも服虔と蘇林はその病気について「全身が青くなった」「唇・口・手・足・十本の指の表側が全て青くなる」と、「全身が青色に染まる」というものだったと言っている。




あっ、これ知ってる。病気じゃないぞこれ。「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」で見た。






平帝はX因子の持ち主だった可能性が否定できない*1。どんな能力の持ち主であったか分からないのが残念なところだ。

*1:上記引用にあったように、『漢書』注釈の大家顔師古先生は「眚と青の字を間違えてるんじゃねーよ。青じゃねーよ」って言っているわけだが。