高齢者援助規定

夏四月己巳、詔曰「古之立教、郷里以齒、朝廷以爵、扶世導民、莫善於徳。然則於郷里先耆艾、奉高年、古之道也。 今天下孝子順孫願自竭盡以承其親、外迫公事、内乏資財、是以孝心闕焉。朕甚哀之。民年九十以上、已有受鬻法、為復子若孫、令得身帥妻妾遂其供養之事。」
(『漢書』巻六、武帝紀、建元元年)


昨日の記事についてこのような指摘をいただき、確かにそうだったと思い出した。





上記の引用記事にあるように、漢の武帝の時、「九十歳以上の者はその子か孫を徭役免除とする」という規定ができたらしい。


また、ここでは記さないが文帝の段階で既に高齢者へ食事を給するという規定もできている。




もしかしたら他にも規定があったかもしれない。




とにかく、漢代において高齢者やその家族に対しては徭役免除などの種々の特権が与えられたということらしい。




もっとも、この時代における九十歳などと言えば仙人みたいな存在だろうから、現代人における九十歳とは感覚がまるで違うのではないかとも思う。




思うに、昨日のような高齢者に対する家族の介護規定は、今回示したような特権、恩典と表裏一体なのではないかと感じる(昨日の記事と今日の記事では時代が少し離れてはいるが)。



恩典を与えるから親孝行すべきと規定されたのではないだろうか。