笛の由来

笛、案馬融長笛賦、此器起近世、出於羌中、京房備其五音。又稱丘仲工其事、不言仲所造。風俗通則曰「 丘仲造笛。武帝時人。其後更有羌笛爾。」三説不同、未詳孰實。
(『宋書』巻十九、楽志一)

中国古代の「笛」は、他の楽器と比べると割と新しい存在だったらしい。




由来については漢の武帝時代の丘仲なる人物の創作であるという『風俗通』説と、丘仲は笛に巧みであったが発案者だとは言われていないという説とがあるらしいためはっきりしないが、どちらにしてもあまり古く遡れないことには変わりがないらしい(京房の時にあったことにはなっているので、下限は前漢半ば)。




羌で使われていた「羌笛」というのもあったようなので、丘仲創作(?)の笛もそもそも「羌笛」を参考にして改良したとかなのかもしれない。





それ以前には中国には笛は無かったらしいということなので、それ以前の時代の中華モノの小説や漫画を描く際には「肉の笛を吹いた」などといった表現はしてはいけないということだ。