袁渙の断り

「逝ってしまったわ、袁渙の断りに導かれて・・・」

少々古い話になるが、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物「巴マミ」にこんなセリフがあった。






さて、これはどういう意味だろうか。



劉備之為豫州、舉(袁)渙茂才。
(『三国志』巻十一、袁渙伝)

袁渙は三国志の時代の人物で、劉備によって茂才に推挙されたが、紆余曲折を経て曹操に仕えることとなっていた。



時有傳劉備死者、羣臣皆賀。渙以嘗為備舉吏、獨不賀。
(『三国志』巻十一、袁渙伝)

ある時、自分を推挙した劉備が死んだという報が魏で広がったそうだが、魏の群臣はみな魏にとって宿敵とも言える劉備の死を祝賀したが、彼だけは劉備に対し推挙の恩があるということで祝賀を断った、というのである。





そう、これが袁渙の断りである。




おそらく、巴マミはかなりディープな三国志オタであったのだろう。



そこで、自分にとって親しい人物の死をこの故事にならって表現しようとしたのだと思われる。







なお・・・。

劉備豫州、辟(陳)羣為別駕。・・・(中略)・・・舉茂才、除柘令、不行、隨(陳)紀避難徐州。
(『三国志』巻二十二、陳羣伝)

陳羣劉備のもとで働いた、いわゆる「故吏」であり、やはり茂才になっているんだよな・・・。




祝賀しなかったのは袁渙ひとり・・・?ということは・・・あっ







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*1:実はこのネタは5年前の使い回しだったりする・・・。たまにはいいよね?