文帝が滅ぼしたかったのは

帝復問曰「吾夢摩錢文、欲令滅而更愈明、此何謂邪?」(周)宣悵然不對。帝重問之、宣對曰「此自陛下家事、雖意欲爾而太后不聽、是以文欲滅而明耳。」時帝欲治弟植之罪、偪於太后、但加貶爵。以宣為中郎、屬太史。
(『三国志』巻十九、方技伝、周宣)

魏の文帝曹丕様は占いが得意な周宣に訊ねた。



「俺は銭の模様(文)を磨いて潰そうとしたが、余計に模様がはっきりしてくるという夢を見たのだが、この場合は何が男根の象徴になるのだ?」



周宣は最初とても悲しげな表情となり、それから答えた。


これから言うことが皇帝陛下の地雷を踏んでしまうことを恐れたのかもしれない。



「これは陛下の私的なことなのでこれ以上は申し上げられませんが、何かこうしたいと思っていることがあるのに皇太后がお聞き入れにならないことがおありなのではありますまいか。模様を潰そうとしたのにはっきりとしてくる、というのはこのことでしょう」



黄初二年、監國謁者灌均希指、奏「(曹)植醉酒悖慢、劫脅使者」。有司請治罪、帝以太后故、貶爵安郷侯。其年改封鄄城侯。三年、立為鄄城王、邑二千五百戸。
(『三国志』巻十九、陳思王植伝)

この時、曹丕様は曹植の「酒に酔って無礼を働き、使者を脅迫した」という罪状について取り調べていたという。


これは皇帝の指示による告発だというからどこまで本当だかわからない内容だが、どうやらこの記事によれば皇太后の介入のお蔭で爵位を落とされるだけで済んだらしい。





でも、翌年には爵位のランクを上げ、更に翌年には王にしているのだから、実は全然ガチの処罰じゃないと思って良いのではないだろうか。






曹植を罰するのがガチじゃなかったっぽいとすると、最初に引いた夢占い、本当に曹植のことなんだろうか・・・?




そういえば昨日までの記事から考えると曹丕が誰よりも滅ぼしたいと思っていたのは曹彰・・・?



曹彰の字は「子文」・・・?




「(子)文を滅ぼす」・・・あっ