文帝問(周)宣曰「吾夢殿屋両瓦墮地、化為雙鴛鴦、此何謂也?」宣對曰「後宮當有暴死者。」帝曰「吾詐卿耳!」宣對曰「夫夢者意耳、苟以形言、便占吉凶。」言未畢、而黄門令奏宮人相殺。
(『三国志』十九、方技伝、周宣)
夢占いの達人周宣に魏の文帝曹丕様が訊ねた。
「俺は宮殿の屋根瓦が二枚落ちて鴛鴦になって飛んで行ったという夢を見たのだが、これはどういう意味だ?」
周宣はこう答えた。
「宮殿で急死する者が現れるでしょう」
すると曹丕様、「今のはただのでまかせでーっす!やーいひっかかったー!」と言った。
いかにも嫌らしいドヤ顔が目に浮かぶようである。
つまり周宣がどう反応するか、その結果どうなるかを試したのだろう。
だが周宣はこう答えた。
「夢というのは深層心理の表れなのです。いったん言葉に出したこともまた深層心理の表れですから、同じように占う対象となります」
と、その言葉が終わらないうちから、宮殿内で宮人同士の殺人事件が起こった、という緊急速報が入った、という。
こういう「相手を試すためだけに嘘をつく」のって普通に上司とか知り合いとかにやられてもわりとムカつくと思うが、これを最高権力者がやるのはいかんでしょ・・・。
「あとは人徳さえあれば古代の聖人クラスだったのに!」って遠回しに人格批判されるのがわかる気がする・・・。