老母>>>妻子

趙咨字文楚、東郡燕人。大司農陳奇舉咨至孝、躬率子孫耕農為養。
盜嘗夜往劫之、咨恐母驚懼、乃先至門迎盜、因請為設食、謝曰「老母八十、疾病須養、居貧無儲、乞少置衣糧、妻子餘物無所惜。」諸盜皆慚歎、跪曰「所犯無状、干暴賢者。」言畢奔走。
(『東観漢記』趙咨伝)

後漢の趙咨という者はかなりの親孝行であった。



かつてヒャッハーな盗賊どもが夜間に強盗に現れたが、趙咨は騒がしくなって母を起こしてしまわないように自ら門を開けて食事を用意して待ち構え、ヒャッハーたちにこう言ったという。



「私の母は八十歳で病気になっており、十分に栄養を取らせ養生してやらねばなりませんが、我が家は貧乏であまり貯えもありません。お願いですから母の分の食事や衣服は残していただけませんか。妻子や他の財産は自由して構いませんから」




ヒャッハーは「アンタのような素晴らしい方から強盗しようとしたなんて恥ずかしい」と自分たちの所業を悔やみ、何も取らずに逃げて行ったという。






ヒエッ・・・




妻子を捨ててでも親には孝行する、という恐ろしく冷徹な優先順位を体現していて、現代のわれわれから見ると正直少々怖い。