人生は上々だ

私が高校生の頃、ユニコーンの「人生は上々だ」と言う曲に出会った。


これは幼馴染の女性と結婚し勢いで子供を5人作った男が、老年期になり妻を亡くしてから男性に目覚めるという内容であった。


「娘婿にも投げキス」「青いお尻でフーフー」といったフレーズにチェリーの高校生だった私は割と衝撃を受けたものだ。



ということを踏まえて、以下の文を読んでみよう。

漢七年、高祖從平城過趙、趙王朝夕袒韝蔽、自上食、禮甚卑、有子壻禮。高祖箕踞、詈、甚慢易之。
趙相貫高・趙午等年六十餘、故張耳客也。生平為氣、乃怒曰「吾王孱王也!」
(『史記』巻八十九、張耳陳余列伝)


漢の高祖劉邦は、趙に立ち寄った時に趙王張敖の歓待を受けた。


張敖は高祖の娘と結婚していた。
つまり高祖の娘婿である。



張敖は義理の父であり最高権力者でもある高祖に対して娘婿として恭しく仕えたが、高祖はそんな張敖に対して「箕踞」したという。



「箕踞」というのは足を前に投げ出して尻を地面に付けて座ることだという。

あぐら、あるいはM字開脚一歩手前のような状態である。




当時の着物では、そのポーズを取るとおそらく高祖の股間の三尺の剣が見え隠れしてしまうのではないだろうか。

おそらく、だからこそそういったポーズは当時無礼千万なものとされたのだろうが、高祖は敢えてそれをしたのである。



これは、高祖による張敖へのセクハラに違いない。高祖に男性を寵愛する趣味があったことは知られているが、これは高祖が張敖に対し「ところで俺の○○○○を見てくれ。こいつをどう思う?」と無言で語りかけたものなのだろう。


張敖の家臣貫高らが怒ったのも、単に高祖が無礼だったからではなく、高祖が張敖をホモォ…扱いしたことに対して屈辱と感じたということだろう。
うん、きっとそうに違いない。