姓は池、名は魚

城門失火、禍及池中魚。俗説、司門尉姓池、名魚、城門火、救之燒死、故云然耳。
謹案、百家書「宋城門失火、因汲取池中水以沃灌之、池中空竭、魚悉露見、但就取之、喻惡之滋、並中傷良謹也。」
(応劭『風俗通』佚文)


「城門が出火すると、禍は池の中の魚にも及ぶ」という言葉があったらしい。たぶん応劭の時代に言われていた諺なのだろう。


その由来については、「池魚」という人名の門の役人がいて、城門が出火したときに消火活動に当たって殉職したという故事に基づくのだ、という俗説があったらしい。



しかし、実際には城門が出火した時、池の水を汲んで消火活動に当たったため、池の水が空っぽになり、池の中の魚もみんな干物になってしまった、という話に由来するのだという。

意味は「悪が栄えると、本来関係が無いような良い者まで一緒に悪く言われるようになる」ということのようだ。