五侯不相能、賓客不得來往、婁護豐辯、傳食五侯間、各得其歡心、競致奇膳。
護乃合以為鯖、世稱五侯鯖、以為奇味焉。
(『西京雑記』巻二)
その兄弟は「五侯」と呼ばれ、お互いに権勢を競っていた。
「五侯」は兄弟でありながら相当仲が悪く、賓客も「五侯」間をふらふらすることは許されなかったが、「五侯」全員と仲良くできたという医者出身の異色の賓客、楼護だけはそれが許された。
VIP待遇の楼護は「五侯」それぞれで歓待を受けたが、いつもいつももてなしを受けるものだから食事にも飽きてきた。
そこで、「五侯」それぞれの贅を尽くした食事を持ってきてごった煮にした。
これを世間では「五侯の寄せ鍋」と呼び、珍味中の珍味と噂されたとかされないとか。
まあ楼護にしか材料を調達できないわけだから・・・。