公主の夫

初、(衛)青既尊貴、而平陽侯曹壽有惡疾就國、長公主問「列侯誰賢者?」左右皆言大將軍。主笑曰「此出吾家、常騎從我、奈何?」左右曰「於今尊貴無比」於是長公主風白皇后、皇后言之、上乃詔青尚平陽主。
(『漢書』霍去病伝)

前漢武帝の時の大将軍衛青。
かつて彼は平陽侯の家に仕える身分であった。しかし姉が皇后となり、彼は大将軍へと出世した。

平陽侯とは曹参の子孫であるが、当主が「悪疾」にかかり長安から領国に帰ることとなった。
しかし、その平陽侯と結婚していたのが武帝の姉である長公主。
彼女は自分から列侯を品定めしている。つまり、今の夫と離縁して別の夫を見つける気満々なのである。
そこで元は自分の従者だった衛青を選ぶことになる。


自分で品定めしたのは彼女の性格に由来する特殊事情だったかもしれないが、病気になったら用済みとなるあたり、公主の夫に要求される資格は案外厳しい。