孔丘先生の失言5

中国は春秋時代に大言壮語で名を馳せた孔丘先生は、しばしば常軌を逸した発言をしてしまうことで有名。

子曰、予欲無言。子貢曰、子如不言則小子何述焉。子曰、天何言哉。四時行焉、百物生焉。天何言哉。
(『論語』陽貨篇)

孔丘先生はある日キレた。

「もう俺しゃべらない」

出藍の誉れこと弟子の子貢は言った。

「先生が会話しなかったら、私たちのやることがなくなってしまいます。おやめください」

孔丘先生はそれに答えた。

「天が何か会話するか?それでも季節は巡り生き物は生まれるではないか。天が何か会話するかってんだ」


大事な事なので二回言いました。


「天はしゃべらない」=「自分はしゃべらない」
∴「天」=「自分」


拗ねてるんだか、真面目に本人を天と同一視するあまり錯乱してしまったのか、いずれにしても平然と自分を天になぞらえてしまうのだから、孔丘先生の器の大きさには脱帽するしかない。


これが『論語』に収録され、目にした人の多くが何の疑問も抱かないというあたり、世の中言った者勝ちなんだな、と思うしかない。
周囲に「俺は神だ」とか言い出す人がいたら、まずMDMA服用あたりを疑うレベルだろうに、この先生は崇められている不思議。